競売物件とは?購入するためにはどうすればいいの?

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ハンマー

「競売」という言葉を知っていますか?競売にはマイナスイメージが先行しがちですが、不動産投資にとってはプラスのイメージが働きやすい言葉です。競売物件は他の物件と比較して、安く値段が設定されている場合が多く、落札できれば安く物件を調達できます。今回は、競売物件の基礎知識と購入方法をご紹介します。

競売物件とは

競売とは?

競売とは、債務者(お金を借りている人)が住宅ローンや借入金の返済をしなくなった場合に、債権者(お金を貸している人/主に金融機関)が裁判所に申し立てを行い、申し立てに基づいて物件の差し押さえ・売却を行う手続きのことです。裁判所では、住宅をはじめ土地なども競売の対象としており、債権者から申し立てがあれば必要に応じて、競売の手続きに入ります。

競売までの流れ

いきなり「この家を競売にかけます!」とはなりません。まず返済がストップされたことを確認すると、債務者に対し「通知」を行います。初期段階ですと、電話などでの催促が行われ、それでも支払わなかった場合は督促状の送付が行われます。

督促状が届いても支払いが確認できない場合に、競売の手続きにはいるのです。この時点で、個人信用情報には「事故情報」として返済が滞っている事実が記載されています。約5年間は消えませんので、この間、新たにローンを組んだりクレジットカードを発行したりすることは難しいでしょう。

つぎに債権者は住宅ローンや借金の保証会社に対し、「代位返済」を求めます。保証会社は金融機関などの債権者に対し、残額と同じ額を代わりに支払います。この段階まで来ると、いよいよ競売への手続きがスタートです。これがザックリとした競売までの流れです。

この間にさまざまな書類が届きます。例えば「競売申し立て予告通知」や「担保不動産競売開始決定通知書」です。事前に競売にかけますよという予告や、自宅を差し押さえたことを通知する通知書です。これらの通知書は債権者と合意すれば競売を避けることができる、いわゆる最後通牒です。一括返済もしくは任意売却のどちらかを求められますが、競売だけは避けられます。

競売の流れ

ここからは競売の流れを見ていきます。まず、保証会社などの債権者から裁判所に対し、「競売の申し立て」が行われます。裁判所は申し立てを受け、必要性を検討し「競売の開始・物件の差し押さえ通知」を行います。

つぎに執行官を現地に派遣し、現状調査を行った後、物件明細書・現況調査報告書及び評価書等を発行し誰でも閲覧できる状態にします。その調査報告を受け、裁判所は売却基準価格を決定し、入札の準備を整えます。

売却実施公告、つまり「売却が行われます」と新聞などでアナウンスが行われれば、入札がスタートです。入札期間は約1週間。この間に、最も高い価格を提示した人が落札者となります。この時、一度入札したら価格を変更することはできません。入札期間が終了すると、開札し、落札者の選定が始まります。

もし落札者が問題なければ、その後の手続きを経て競売物件の引き渡しが行われ、競売は終了となります。このように競売には時間がかかります。しかし、一般市場価格よりも安く購入できるなどメリットがあるため、入札する人が後を絶ちません。

競売のメリット

一般市場価格より安く買える

競売の大きなメリットは「一般市場価格より安く買える」という点です。競売物件は一般市場価格より約3割安く買えるのですが、その背景に「権利が認められない」理由があります。詳しくは別コラムご紹介していますが、雨漏りしていたなど不具合が生じてもだれも責任を負ってくれません。このように、保証がない分価格が安くなっているのです。

一般に流通しにくい情報も見つかる

2つ目のメリットは「情報が見つかりやすい」点です。一般的に流通する情報は「売るための情報」です。そのため、売れないような土地(例えば極端に狭い土地など)の情報は流通しにくいでしょう。

しかし競売物件の場合、全ての情報が公開されていますので一般に流通しづらい情報も見つけられます。そのため、ニーズに合った競売物件を見つけて入札できます。

競売物件の買い方

STEP1:予算額を設定して物件をチョイスする

競売物件を買うのであれば、まずは予算額を決めましょう。なぜなら、「計画的に購入しないと痛い目を見るから」です。例えば欲しい物件を購入したとしても、ローンで購入代金を工面した場合、毎月必ず返済しなければいけません。しかし、あまりにも高額な物件を買ってしまい、毎月の返済に遅れが生じてしまうと個人信用情報に事故情報が記載されたり、差し押さえられてしまい競売にかけられたりしてしまう恐れもあります。

このように、予算額を決めておかないと後々面倒くさいことになりかねないのです。なお、住宅ローンなどを使って競売物件を入札する場合、予め金融機関に対し「いくらまでなら借りられますか?」と打診してみましょう。そうすると、金融機関側から「いくらまでならお貸しできます」と返答が来ます。この金額を目安に予算額として設定すると良いでしょう。

当然、一括キャッシュで買える場合などは住宅ローンを組まないで購入した方が余計な利息を支払わずに済みますね。予算額の設定ができたのであれば、次に物件の選定に入りましょう。物件は、BIT(不動産競売情報サイト)というシステムで閲覧できます。

参考:http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/

このサイトでは全国の裁判所が競売の開始を決定した物件情報を扱っており、物件明細書、現況調査報告書及び評価書等をダウンロードする以外にも売却基準価格やどういった不動産なのかなどを参照できます。また過去の情報を調べて最高入札価格を調べられますので、常にチェックしておくと勝てる確率も上がるでしょう。

実際にBITを使って競売物件を検索します。欲しい地域を選択して、検索を実施すれば「現在競売が決定している物件」の情報が出てきますので、物件を選定してください。なお、BITで公開されている資料には、一部黒塗りになっている部分があります。権利関係の部分は裁判所でしか公開していないケースもあるので、最終的には裁判所に行って資料確認すると良いでしょう。

STEP2:入札開始日のチェック

STEP1で物件の選定をおこなったら、BITを使って入札開始日を確認します。入札期間は約1週間なので、必ず期間内に入札をするようにしてください。期間を過ぎての入札は受け付けてもらえません。

しかし、期間内に入札が無かった場合、「特別売却」という形で再度募集がかかります。これは先着順で購入者を集うもので、一番早く手続きを終えた方に売却が実行されます。併せてこの期間もチェックしておきましょう。

STEP3:買受申出(入札)

ここまで来れば入札が可能となります。正式には「買受申出」といい、裁判所に対して「競売にかけられている〇〇の物件を買う意思」を示す行為です。入札には「入札書・入札用封筒・入札保証金振込証明書」が必要になるので、必ず執行官室で交付してもらうようにしてください。入札書には、入札価格を書く欄があります。必ず「売却基準価格を2割下回る金額以上」をボールペンで記入してください。例えば、売却基準価格が10,000円だった場合、入札価格は8,000円以上です。

入札書の記入が終われば、次に保証金の振込を行います。入札には別途、裁判所が定めた保証金を納付することが義務付けられており、納付が確認できない場合は入札を受け付けてくれません。指示に従って、保証金を振り込んでください。入札書の提出と保証金の納付をもって入札完了です。

なお、保証金は銀行での振込以外にも、「支払保証委託契約締結証明書」と呼ばれる証明書を銀行または保険会社に発行してもらい提出することでも問題ありません。ただし諸条件がありますので、取引のある銀行または保険会社に問い合わせてください。

入札書類の提出は直接執行官に渡しても良いですし、郵便などで送ることも認められています。なお、郵送で送った場合、入札期間が終了した後に書類が到着した場合は無効です。必ず入札期間中に「届く」ように送りましょう。

STEP4:開札

入札期間終了後、裁判所では入札用封筒が開封され最も高い入札価格を提示した人を探します。これを開札といい、最も高い金額を提示した方が落札者です。預かっていた保証金は落札者以外の方は後日返金されます。落札者の方の保証金はそのまま入札価格に充当されます。

保証金の返還は、銀行振込の場合は口座振込、支払保証委託契約締結証明書を提出していた場合は、証明書が返還されます。

STEP5:売却許可決定

裁判所は最高価格者に物件を売却するかどうかの裁判を行います。裁判は売却決定期日という予め告知されていた日に行われ、通常であれば許可されて買受人となります。ただし、民法執行法71条に反する場合は、不許可事由に該当するとして許可されません。

STEP6:代金の納付

裁判所より売却許可が出たら、正式に買受人となります。裁判所より1か月以内の日を代金納付期限として指定されるので、その期日までに必ず代金を納付してください。もし納付しなかった場合、買受人としての権利を失効するほか、預け入れている保証金の返還権利も失います。

もし買受人が代金を納付しなかった場合、次順位買受人制度という制度を使い次点の方にチャンスが回ってきます。条件として「次点であること」と「最高買受人より高い金額で買受人になること」が挙げられています。2つ目の条件ですが、最高買受人申出額から買受申出保証額を差し引いた額よりも上でなければ認められません。

また不許可事由に該当し、買受人の認可が下りなかった場合、次順位買受人制度は適用されず、再募集または特別売却または競売停止のいずれかの措置が執られます。

債務者から買受人への引き渡し

全ての手続きが終わり、裁判所が問題なしと認めたら引き渡しが行われます。猶予期間6カ月以内(認められた場合のみ)に立ち退かない場合は、申し立てにより強制執行されます。すでに退去が住んでいても、家の中に家具が残っていた場合は別途手続きが必要です。引渡命令の申し立てという手続きを行い、執行官に明け渡し執行を行ってもらいましょう。この場合、別途費用が発生し、その費用は買受人が負担することになっています。

これが競売物件の買い方です。ケースによって異なるため、一概にどれくらいの期間がかかるかは分かりません。しかし、スムーズに進んでおおよそ2か月から3か月かかると見ておくと良いでしょう。

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