不動産投資の仕組みを解説。なぜ節税できるのか紹介します

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額縁に投資と書いてある

ニュースなどで「不動産投資」というワードを聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、「不動産投資はよく聞くけど、どのようなことをやっているか分からない」、「投資は怖い」と思われがち。ですが、基礎知識を身に着ければ不動産投資は初心者の方にもおすすめできる投資のひとつです。しかし「投資」と名が付く以上、リスクは存在します。今回は、そんな不動産投資の仕組みや「節税」に関してご紹介します。

不動産投資とは

不動産投資とは、利益を目的に不動産に投資を行う手法のことです。数多くある投資手法の中でも、「ミドルリスクミドルリターン」と言われています。「投資」を行う上で、ある程度のリスク(不確実性)は覚悟しなければなりません。

例えば株式投資の場合、1日の経済情勢で一気に値下げが起きてしまい損失を被る恐れがあります。しかし、不動産投資の場合、一気に価格が下落することは少なため、ミドルリスクと呼ばれているのです。

つぎに「ミドルリターン」の部分です。一般的に不動産投資の利回りは4.5%前後だといわれています。一般的にハイリターンと呼ばれる株式投資の場合、平均的な利回りは6~7%といわれているので、この数値を下回っています。そのため、ミドルリターンといわれており、不動産投資は「ミドルリスクミドルリターン」だといえます。そんな不動産投資ですが、実は2つの仕組みが存在します。

不動産投資に存在する2つの方法。そのリスクと対策

家賃収入で安定した収入を得る方法

アパートやマンションを買って第三者に貸し出し、家賃収入を得るタイプです。これをインカムゲインといいます。多額の初期費用がかかってしまう反面、入居者が居れば安定的に家賃収入が入ってくるため、お金の流れを計算しやすいというメリットがあります。最初は銀行などでローンを組むため、利益は上げにくいのですが、時間が経つにつれて入ってくるお金が大きくなってくる特徴があります。しかし、インカムゲインには3つのリスクが存在します。

インカムゲインに潜む3大リスク

インカムゲインには3つのリスクが存在します。

  • 空室リスク
  • 未払いリスク
  • 需要低下リスク

この3つです。ひとつ目は「空室リスク」。これは読んで字のごとく、貸し出している部屋に入居が現れないリスクです。例えば家賃10万円の部屋を貸し出し、3か月間入居者が居なかった場合、30万円の損失につながります。さらに維持費もかかってくるため赤字額はこの額を上回ります。さらに、空室リスクにも2つのタイプがあります。

まず「マーケット・リスク」と呼ばれるリスクです。これは、人口や世帯数が減少している地域に不動産投資を行ってしまう失敗例です。人口流出が続いている地域に物件を作っても、元々あった家も空室になってしまっているため、埋まることは中々ありません。
続いて「立地のリスク」です。

駅から遠くなればなるほど、交通の便も不便になるため入居者に敬遠される恐れがあります。また相場と比較して家賃が高い場合にも敬遠されてしまい、空室を埋められない恐れも。こういったリスクを回避するためには、事前のリサーチが重要となります。
周辺環境とユーザー層をしっかり調査し、ニーズに合った物件を選ぶようにしましょう。

2つ目は「未払いリスク」。これは入居者の方が家賃を支払ってくれない問題です。せっかく入居してくれる人がいても、家賃を支払ってくれないのであればお金を増やすことはできません。通常は連帯保証人の方から回収ができますが、連帯保証人も行方をくらませていた場合は、そのまま損失につながることもあるようです。

未払いリスクを減らすためには、入居審査を厳しくすることが挙げられますが、単純に厳しくするだけでは、入居率を下げてしまう可能性があります。
こうしたこともあり、最近では家賃保証会社を利用するケースも増えています。

3つ目は「需要低下リスク」。これはマーケット・リスクにもつながる話ですが、その地域の需要が低下している場合、需要に合わせた物件づくりをしなければなりません。例え空室を埋められても、相場が低下している場合は家賃も相場に合わせる必要があるため、予想していた家賃収入を得られないこともあります。

人気のエリアや、商業施設の建設情報などをこまめにチェックし、今後そのエリア周辺でどのような動きがあるかを予想し、需要リスクの低下を回避することが重要です。

購入価格と売却価格の差で利益を狙う方法

キャピタルゲインとは、「安いときに物件を買って高いときに売るという“差”」を狙う投資手法です。多額の利益を得やすい反面、資産価値が下落してしまうと損失が大きくなってしまいます。そのため、初心者の方にはあまりオススメできません。

キャピタルゲインの場合、短期間で価値が値上がりし売却すれば、「短期譲渡所得」に該当し、39.63%の税金を支払わなければなりません。売却した年の1月1日時点で保有してから5年以内に売却した場合は、上記税率となります。5年を経過している場合は、長期譲渡所得として20.315%で済みます。

譲渡所得は「売却価額-(取得費+譲渡費)-特別控除」で算出でき、ここに税率をかけて納税額を計算します。よって、短期間で売ることを目的とするキャピタルゲインの場合、多額の税金を納めなければならなくなる恐れがあります。

しかし、譲渡所得は「節税」の対象になりません。なぜなら、分離課税だから。分離課税の場合、発生した所得に応じて税金が課税されるため、節税にはつながりにくいのです。よって、今回は総合課税の対象であるインカムゲインに焦点を当てていきます。

不動産投資は節税対策になるのか

不動産投資は「総合課税」に分類される

節税に関するお話をする前に、日本の税制について見ておきましょう。所得税を計算する上で、総合課税と分離課税の2種類に分かれています。

総合課税とは、他の所得と損益通算を行い納税額を計算する方法です。総合課税に含まれる所得は、「利子所得・配当所得・事業所得・不動産所得・給与所得・譲渡所得・一時所得・雑所得」だけであり、その他所得は総合課税の対象外です(分離課税)。なお、譲渡所得と書かれていますが土地の売買などで得られる譲渡所得は含まれませんので注意が必要です。

分離課税は、各所得に応じて納税すべき税金が課税される方法で、株式投資などにかかる税金がこれに該当します。なお、不動産投資は不動産所得に分類されるため、総合課税です。

不動産投資は一番節税効果が高い!

節税であれば、ハイリスクで損失が出やすい株式投資などが向いていると思われる方もいらっしゃいますが、株式投資などの投資は分離課税に該当してしまい、節税にはつながりにくいのです。その点、不動産投資とは総合課税ですので給与所得などと損益通算を行え、納める必要がある税金を安く抑えられます

また物件を購入した際の購入費や火災保険などの保険料など、不動産投資を始めた年は赤字に陥りやすく、最も節税効果が高いといえるでしょう。

節税効果は高くても効果は一時的かも

納めるべき税金を低く抑えるためには、家賃収入よりも支払う経費の方が上回らないといけません。経費の中には、修繕費やリフォーム代のほか減価償却費などが含まれます。減価償却費とは、資産を購入する上で必要だったお金を一気に計上するのではなく、法定耐用年数で分割して費用計上する仕組みのことです。

例えば、RC造り(鉄筋コンクリート)の物件を1億円で購入した場合、法定耐用年数は47年ですので、毎年約220万円ずつ費用計上できます(最大47年間)。実は、減価償却費は「実際に発生していない費用」です。最初の支払い以降、お金は動かず帳簿上のみ、「実際に支払ったもの」と処理が行われています。

もしマンションやアパートをローンで購入した場合、返済額が減価償却費の中で収まっていれば貯金を取り崩さずに済みますが、収まらなければ本当の意味での赤字になってしまいます。

そして、減価償却はいつまでも続くものではなく、法定耐用年数が尽きてしまえば経費として使うことはできませんし、ローンの返済時に発生する借入利息も、返済が終われば経費として使えません。そのため、「不動産投資は、節税効果が高いものの、効果は一時的」となってしまうのです。

中古で購入した物件の場合

不動産投資を行いたくても新築で物件を買えない方は、中古の物件を買って投資する方法もあります。
中古物件の場合でも減価償却費についても救済措置が用意されているので紹介します。

まず、築年数が耐用年数を超えている場合です。この場合、「法定耐用年数×20%」で耐用年数を算出できます。次に、築年数が耐用年数を超えていない場合は「法定耐用年数-(築年数×80%)」で算出できます。

建物の金額が分かっている場合

では実際にシミュレーションをしてみましょう。中古で築年数20年5カ月の鉄筋コンクリート造のマンションを1,000万円で購入したとします。この場合、鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年ですので、耐用年数は「47年-(20年×0.8)」で求められ、耐用年数は31年だと分かります。

後は、国税庁のホームページより「減価償却資産の償却率表」から償却率を導き出します。参考:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf

先ほどの例の場合、耐用年数は31年となり定額法のところを参照すると償却率は0.033となるので、1,000万円×0.033=330,000、つまり31年間の間は毎年33万円の減価償却が行えるということになります。

建物と土地の値段が分からない場合

実は、中古・新築に限らず減価償却を行えるのは「建物のみ」です。土地は劣化しないため減価償却を行うことはできません。そのため、中古で購入した際に土地と建物の値段に区別がついていない場合は、合理的な手段で価格を区別しなければなりません。

その際に有効な手段として「固定資産税評価額を用いる」手段があります。これは、市町村が毎年1月1日に公示している指標で、この指標をもとに毎年固定資産税の算出を行っています。固定資産税評価額は、土地と建物に分かれているため目安として按分することが可能です。計算式は「購入金額の総額×建物の固定資産税評価額/固定資産税評価額」。

例えば、建物と土地がセットで5,000万円、固定資産税評価額(土地)が1,000万円、建物が2,000万円だった場合、次の計算式で建物の価格を導き出せます。「5,000万円×2,000万円/(3,000万円)=33,333,333、約3,300万円が建物の価格だとわかります。

そして最後に、先ほどと同じ方法で耐用年数を計算し、適切な減価償却費用を求められます。なお、事前に売り主と売買価格を決める際に、土地と建物の価格を取り決めしておけば面倒な計算をせずに済みます。

不動産投資で節税したいなら確定申告を

確定申告とは

確定申告とは、税務署に対し国民が毎年2月の中旬から3月上旬にかけて「前年度の所得を申告する」ものです。申告をしなかった場合、無申告などで罰せられる恐れもあります。不動産投資で赤字になっている場合も確定申告をしなければ、給与所得と損益通算が行われません。

やり方が分からない場合は税理士へ

もし、「確定申告のやり方が分からない」や「やっている時間がない」という場合は税理士にお任せしてしまいましょう。インターネットで「確定申告 税理士」と検索をすれば全て受け付けてくれる税理士を見つけられます。費用は数万円程度ですが、混雑している時期ですと申告書の出来上がりがギリギリになってしまう恐れもあるので、なるべく早く依頼してしまいましょう。

まとめ

不動産投資は、マンションやアパートを購入(投資)することで、家賃収入を得たり、マンションの価格が上がった際に売却することで収益を得る投資手法です。サラリーマンの方でも行える投資のため、節税対策などにと人気があります。しかし、節税効果は一時的なもので、減価償却費をローンの返済金やリフォーム代が上回ってしまうと、貯金を取り崩して充てなければいけなくなることもあります。不動産投資は、一時的な効果にとどまることもありますが、確かに節税が可能です。
ですが不動産投資は、節税だけに目を向けるのではなく、長期的に安定した収入を得ることを意識して投資することが重要です。

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